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「と、トシ……」
近藤さんは、さっきよりも顔色が悪そうだった。
最初に、私が入った瞬間からそうだった。
一体、私の何が嫌なんだ?
「すまねぇ……近藤さん。だが、コイツは俺の小姓にして面倒見るからよ。じゃねぇと危険だ、コイツを野放しにすんのは……」
「トシの小姓なるのか?それは、頼もしいが……」
イケメンこの野ろ...土方さんは、ややうつ向き、ため息を混じりに話すが、近藤さんは私をチラリと横目で見て、こう言った。
「トシ、ここは女人禁制だぞ?」
「・・・」
うわぁ……ベタだな。
おそらく、ここで……。
「はっ!?!?近藤さん、何を言ってんだ?コイツはどっからどう見たって男……」
「いや、トシ。試衛館時代からの付き合いのお前なら分かるだろ?俺が、女性恐怖症なのを……。この冷や汗といい、鳥肌といい……」
えっ!?
近藤さん、女性恐怖症だったの?
男と思われていたことにツッコミたい所だが、もはやそれ以上に衝撃的だった。
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