173人が本棚に入れています
本棚に追加
/513ページ
「そうですね。もう少し弱めの睡眠魔法がよかったんですが、思いの外、彼らの魔力が高かったものですから。
人も強くなりましたね。昔は守られるばかりの存在だったのに」
ヘカテからの殺気はもうない。
場を支配する威圧感もない。
今の彼女にあるのは、地に倒れる"人"を優しく慈しむ眼差し。
清浄な、場を和ませる柔らかな波動。
「全く、魔女ヘカテとはよく言ったものね。
"賢者シリウス"」
キルケの言葉に、シリウスは優しく微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!