学校行事は強制参加

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 〇 その会議は、放課後の二年六組の教室で行われていた。 議題はもちろん、間近に迫る魔法競技祭、通称キョーサイに関する事。参加者は一年、二年各クラスの学級委員長二人と委員長に声をかけられた生徒数名。 総勢20人以上にもなる会議の中心となり、黒板の前に立つのは黒髪ツインテールの眼鏡女子、二年六組学級委員長を務める西村 胡桃だ。 「一年生もいるので、まずはキョーサイの種目を簡単に説明させてもらいます」 教師たちがたまに使う伸縮機能を持ったプラスチック製の棒を最大限に伸ばし、胡桃は棒の先端で黒板を叩く。 一番最初に指されたのは『棒倒し』。一般校の体育祭にもある一般的な競技の一つで、内容もほとんど同じ。相手側の長い棒を相手より先に倒せば勝ちというもの。ただし魔法の使用有りなため危険度は比ではない。 次に指されたのは『ノーハンドバレー』。中央にネットを置いたバレーよりも一回りほど大きなコート内で、バランスボールほどの大きなボールを用いて行う競技。ただし手を使うのは禁止され、サーブ、レシーブ、トス、アタック、ブロックなどは全て魔法で行わなければならない。 次は『障害物競争』。基本的な内容は同じで、唯一使用していい魔法が肉体強化系のみと制限された競技だ。
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