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「……い、いいよ。」
そう言うとパァっと満面の笑みになって、ちょっと頭を撫でてみたいななんて思ってしまった。
「そういえばなんでこの階にいたんすか?」
「あ…っ」
言われて気づいた。
授業があるんだった。
「じ、じゃあ…また、ね…」
そう言って慌ててトイレを出て視聴覚室へと向かった。
「あ…、生徒手帳…」
飛鳥がトイレを出て行くときに落としたであろうものを陽向は拾い上げる。
「柏木飛鳥……?」
陽向は首を傾げてその生徒手帳をしばらく見つめてから胸ポケットにしまった。
なんとかギリギリ授業に間に合った僕は適当な席に座って息を整えた。
それにしても陽向くん、口下手な僕でも会話を続けてくれて、最初はびっくりだったけどいいお友達になれるかな…
なんて思いながらビデオを眺めているとお腹が空いたのか腹の虫がなってしまった。
「おい山田いま腹なっただろ」
「え!?俺じゃないんだけど」
「嘘つけ、俺にはしっかりと聞こえたぞ」
隣に座っていた山田君が犠牲となりました。
「だから違うんだってぇええぇえ」
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