episode 13

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「ごっ……誤解っ!」 「ああっ!?何がっ」 誤解されてたのは俺の方だろう。 「私は津田さんと付き合ってないっ」 「はあっ!?」 思いもよらない三崎のカミングアウトは、俺に混乱をもたらす。 うまく状況が呑み込めなくて、思わず三崎を凝視してしまった。 上目遣いに見つめてくる三崎の目は、今までの頼りなさが消えているように感じる。 「私と津田さんは何もないの」 ハッキリとそう告げられると、俺の中では困惑しかない。 何もないってどういうことだ? まだ何もしてない……ってことか? 今日、津田さんの家に行く予定だったから、まだ何もなかったと。 そういう解釈でいいのだろうか。 「いろいろ問題とかあったから返事が遅くなったけど、ちゃんとお断りしてるの」 「…………」 いやいや待てよ。 お前は昨日、俺の前でハッキリ津田さんに好きだと言ったじゃないか。 あれを聞いたから俺はもう駄目だと悟ったのに。 「私は最初から…柴垣くんだけが…好きなの…」 …………ねぇ……お前今……何言ったの? 「本当よ?」 何も考えられずに固まっている俺のスーツの裾を、遠慮がちに引っ張られて我に返ると。 そこには頬をピンクに染めた愛らしい三崎が確かに俺の前にいる。 そんな顔を見せられたらもう、俺には抱きしめることしかできなかった。
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