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これは良い事を聞いた。
今武器になりそうなものはアンジェロッドくらいだが、これ単品では戦えない。
昨日ゾデの剣と融合したように、何か無生物と組み合わせない限りはただのアクセサリーに成り下がってしまうのだ。
樹木は生物だし、この森で使えそうな物は見当たらない。
町を出る前にナイフでも借りときゃ良かったかな。
ま、メツェンさんの助言によればそれも必要無さそうだけどね。
「シツちゃん、蹴り飛ばしてあげて!」
「はい!」
メツェンさんのガイドに従い、俺はカニに向かって一歩前へ踏み出した後、左足を軸にして体重を支えつつ右足を後方へ伸ばした。
右を軸にした方が強く蹴れるんだっけ?
一撃だから関係ないか。
食らえ、アンジェネリック……。
今は町娘Aでしたな。
「おりゃあ!」
俺の繰り出したローキックがカニに炸裂し、俺は右足のつま先に走った激痛で倒れ、落ち葉の上で激しくのたうち回る。
「いてててて!」
何でだよ!?
まさかメツェンさん、俺に嘘付いたの……?
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