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ずっと黙りこんでいる私を見て、 アメリーが不安げな声をあげた。 『…舞……?』 その声で私は我にかえる。 「……あっ、ごめん! ちよっと考え事してた。 とりあえず、調査続けようか?」 とっさに話をそらした。 これ以上考えても、 結論がでない気がしたのだ。 なにより、アメリーを 無駄に傷付けてしまいそうだったからである。 とにかくこの件は慎重にいこう。 心のなかで私はそう思った。 『うん、分かった。調査』 アメリーも私の意見に 同意をしてきてくれた。 そして何故かアメリーは、 ベットにテトテトッと、 駆け寄り毛布を手にとる。 そして元の位置まで戻ってきた。 「何に使うのそれ?」 思わず尋ねる。 アメリーはストンッと床に しゃがみ込むと、 その毛布を頭から被った。 『怖いもの出たら、この中に隠れる!』 そう言うと、アメリーは ニコニコ笑顔を見せる。 更に、隠れる予行練習まで始める始末。 …クスッ。 私は笑みを溢しながら、 再び床へと置いた、何冊かの本に目をやった。 ――よしっ、調査再開だ!
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