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俺は頭に乗っかったウィッグを掴み、バサッとテーブルに置いた。
間宮『うぁ、取るなよ吉村ぁ~、マジ似合ってんぞ。そのロングストレート。
これで金髪なら正しく本物の外人八頭身美女。』
間宮刑事がテーブルに置いたウィッグをツンツンと突っつく。
次郎『これで決まりやな。今年はKARAで。やっぱAKBよりお尻フリフリダンスで。』
次郎はイヒッと笑って俺にピース。
小林『吉村先輩って、こうして見るとかなり女顔ですよね?
その辺の女より断然綺麗なんですけど。』
そう、俺達は少し時期は早いが、忘年会の出し物についての審議をしていた。
ただの忘年会の出し物だと侮ってはいけない。
毎年毎年かなり本格的に練習を重ねて、披露しなくてはいけないのだ。
上司やあまり接点のない部署の人達に顔を覚えてもらったりと、社会人ともなると、『ただの』忘年会ではなくなる。
これも仕事の内に入る。
正人『あぁあ…、お尻フリフリダンス…決定ですか?』
俺が項垂れてテーブルに突っ伏すと、間宮刑事が俺のつむじをグリグリ押してきた。
間宮『決定決定、他の部署に負けたくねーから、手ぇ抜くなよ?真面目にやれよ?
特にあの捜査一課にはぜっったい負けたくねぇ。』
小林『鼻につきますよね~っ、完璧に俺らバカにされてるって言うか。』
(心底どうでもいい…と言うか、女装してお尻フリフリダンスのがバカにされると思う…。)
やっぱり反対しようと顔を上げるが、
次郎『ま、こっちは隠し玉の正人がおるから商品もいただきやな♪
正人、ダンスも上手いし♪』
と、次郎の余計な一言により、後戻りは確実に出来なくなった。
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