第一章 シャマイン

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「何にせよ絶対に犯人を捕まえてやる」  そう言いながら握った拳を前に突き出す。 「ワンッ! ツーッ! フィニッシュ!」  ストレート、ボディブロー、アッパーカットの順に繰り出した。  上下に大胆に揺れる胸元を熊野御堂はつい見てしまう。こういう所が男性陣に好かれるのかもしれない、と思いつつも考えとは別のことを声に出した。 「犯人も災難だね」 「災難なのはペットの方だよ。犯人は絶対に許さない。……ところで熊野御堂の方は何の捜査? やっぱりイブも仕事?」 「俺は素敵なおじ様とデートだ」  熊野御堂は胸を張った。  聞いてはいけなかったかのように、春が一歩下がる。 「……マジかあ。熊野御堂って、そっち系?」
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