第四章 神の降りる島へ

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 気が遠くなったのは一瞬だった――と思っていた。  だが、目を開けると、そこはいつの間にか日陰で、目の前にはひどく苦しげな瑛太の顔があった。 「……薫!? 気がついた!?」  瑛太の顔には眼鏡がある。なにより、こんな顔はカミサマはしない、と薫は思い、 「瑛太……?」  と尋ねると、瑛太は「……よかった……マジでよかった」と絞り出すように言った。  起き上がろうとすると、肩を押さえられ止められる。背中が痛いのはなんでだろう――と思った薫は、直前のことを思い出した。そうだ。倒れた拍子に背中を打ったのだった。 「え――あれ? カ、カミサマは?」  瑛太は一瞬息を呑み、泣くのをこらえるような顔をした。 「……今さっき、アイツ、出ていったよ」 「そっか」  やはり日光のせいだろうか。いつものように眠ってしまったのだろうと軽く頷くと、 「もう出てこないと思う」  と瑛太は言った。
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