0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
第一季 始まりの場所
今は桜の香りが気持ちの良い季節…『春』
春風の吹くこの時期も、街中は騒音が響いている。
道路ではクラクションが鳴り響き…
歩道は行く人の喋り声で溢れている…
街を歩く一人の少年は立ち止まり、空を見上げていた。
頭上では桜の花びらが風に舞い
風に吹かれ右から左へとながれていく。
少年の名は『春風 恋』(ハルカゼ レン)
春と云えば、始まりの季節
春と云えば、終わりの季節
恋は最初と最後を飾るこの季節が好きだった。
今日から彼の大学生としての道が始まることとなるが
なにより春は恋愛の季節でもあることを
彼はまだ気付かずにいた…
恋は大学に着いて驚きを隠せず辺りを見渡す。
大学のキャンバスは物凄い人口で賑わい
先輩達がサークルや部活の勧誘を行っていたのだ
右も左も分からないまま勧誘をくぐり抜け教室へと向かう
しかしどこまで歩いても勧誘の声は鳴り止まず
恋はパーカーのフードを深く被り、うつむいて進む
普段からチャラけた彼も、さすがに面を喰らった
やっとの思いで教室に辿り着いたときには
教室も既に同級生達で溢れかえっていた
最初のコメントを投稿しよう!