秋翼

こんな夢をみた。 夜の三時二十四分。 布団で目をつむって、数時間ごろついていてもなかなか眠れないので、いっそのこと起きていようと思い、あお向けに寝たまま目を見開いた。 真上の天井には、バッタがいた。 ただの、バッタじゃなかった。 特大の、とても大きなバッタだった。 緑色で、身体は細長く、顔は押しつぶされたようで、目には機械的で、生気がない。 目をつむった。 こわかった。バッタはわたしを見ていた。 はだけていた毛布を、すばやく頭までかぶらせた。 もし、バッタがわたしに落ちてきても大丈夫なようにだ。 わたしは、しばらく毛布をかぶったまま、眠りについた。 よくねむれなかった。 起きたのは、三時四十分だった。 わたしの、枕元にある時計が、そう示していた。 バッタは、天井にはいなかった。 わたしの、頭頂部あたりの、場所で見下ろすように、わたしを見ていた。 バッタの顔が近くにあったので、よく観察できた。 目の透明のなかに、一点の黒がある。 昆虫らしいなと思った。 わたしは、もうバッタをこわくはなかった。 再び、わたしは眠った。 つぎに目をさますと、朝だった。 バッタは、潰れて死んでいた。 わたしの、頭にはぬるりとした液体がついていた。 これは、バッタの体液で、寝相のわるいわたしが、バッタを頭で潰したのだとわかった。

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