天陰村雲

【無題】  今、求めているものは最初にあったのです。  何も知らず、わざわざ生きようとも意識していない、子供だった頃。  求めるわけでも無くあった、人としての存在。  人として大きくなるに従って、薄れていく。 色のついた水が薄まるように。 広がり、褪せて、見えなくなる。 自分が透明だから、誰しも心を誰かに求めずにはいられなくなる。 誰が誰か分からない、誰が誰でも構わない。

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