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風牙
風牙
2013/6/9 21:17
思いつきショートショート。 ウーン、ありきたり…orz 星新一さんの作品とかに、似たような物がありそうな気がする(;´д`) 同じような作品御存知の方がいらしたら教えて下さいませm(__)m 以下の駄文を削除しますので。 空からクラゲが降ってきた。 一匹や二匹ではない、何百という数のクラゲが突然空から降ってきて、珍事件として新聞を賑わせた。 しかしそれも数日で、人々は直ぐに興味を失い、新聞記事は政治家の汚職だのアイドルの恋愛だのに取って変わった。 なにせ魚やスリッパまで降ってくる御時世だ。 公的機関が竜巻による上昇気流に巻き込まれたクラゲが落下してきたとの見解を発表すると、誰もクラゲを気にする者は居なくなった。 その後もクラゲは降り続けた。 あまりに頻繁に降ってくるので、降クラゲ確率なる物まで登場した。 クラゲ警報が発令された日には、皆頭をクラゲから守るためにヘルメットを被って外出した。 大量に降ってくるクラゲは、クラゲ公害を引き起こした。 道路に散乱したクラゲは交通渋滞の原因となり、山と積まれたクラゲは傷んで異臭を放った。 クラゲ対策が急務となり、臨時国会で対クラゲ法が採択された。 対クラゲ法により、国民は毎日クラゲを消費しなければならなくなった。 頭を守るヘルメットを逆さにし、夕食用のクラゲを確保する姿が日常風景と化した。 幸いクラゲは美味だった。 海を漂う普通のクラゲとは違い、空から降ってくるクラゲはそれはそれは美味だった。 対クラゲ法に文句を言っていた人々も、一度クラゲを口にすると、その味の虜となった。 三食おやつに夜食まで、クラゲメニューが食卓に並んだ。 深刻なクラゲ不足となり、クラゲは品種改良や遺伝子組み換えやクローン技術まで使って、大量生産されるようになった。 いつしかクラゲは降ってこなくなり、対クラゲ法はその役割を終えたけれど、それでも人々はクラゲを食べ続けた。 クラゲの食べ過ぎで、体が半透明になったり足が増えたり皮膚がブニョブニョになったりする者が表れても、クラゲを食べ続けた。 それほどにクラゲは美味だった。 地上がクラゲで覆い尽くされた頃。 はるか上空の宇宙船では、クラゲ収穫の準備が進められていた。 大豊作だった。
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