時音蓮歌

ほんの少しだけ、風が吹いたような気がして。 ほんの少しだけ、花の匂いがしたような気がして。 でも、それはきっと気のせいだと思って、止めていた足を再び動かそうとして。 僕等は、再会してしまった。 もう二度と会えないと思っていた人物と。 時が果ててしまったかのように止まり、モノクロとなり行く世界の中、彼女だけは白い姿で--まるで純粋無垢であった彼女そのままに--この世界に留まっていた。 突き刺さった鋭い痛みを、でも同時に迸った淡い思い出の数々を、今後忘れることはできないだろう。 ある晴れた日の午後。何気ない一日、積み重なるだけだったはずのそれは、思いもよらぬ形で特別な一日となる。 そう、俺の目の前に現れた幽霊(こいびと)のおかげで。 ひと夏の奇跡と、悲劇は、こうして始まる-- --コメント特別企画 玉蝉の涙 ……突然コメント編集して何してんだって話ですね。 お久しぶりです時羽蓮歌です。意外でしょうがまだ活動してます。 さて、今回コメントからいきなり始めた新企画、「コメント連載小説」なんてね。 イメージの元は「あの花」ですが、ミステリー的要素も取り入れられたらな、と思っています。 あれだけ素直に人を感動させられる作品に、久しぶりに出会いまして、インスピレーションを刺激されました。 あ、もし読んだ人がいるのなら、素直に感想がほしいです。ここしばらく、淡白な文章しか書いてなかったので感覚が…。 では、次回の続きまで。
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