夏月 海桜

あまり恋愛小説を読まない身だからだろうか。主人公に少々衝撃を受けると共に、一体彼女に何があったのだろう?と強烈に興味を持った。自分は誰にも感情を揺さぶられない。そう決めた彼女。それは裏を返せば、己の感情を閉じ込めてしまう程、誰かが感情を揺さぶったのではないか。という疑問。そして、恋愛でも友情でも淡白な彼女の人間関係。様々な彼女を見ていくうちに明かされる過去。……ああ。そういうことだったのか。と思う過去だが、簡単に同情をするのも憚れる程のものに、ただ嘆息する思いでいた。彼女の感情を強烈に揺さぶった人物が悪いわけでもなく、無論、その人物に傷つけられ、己を封じ込める事で自分を守ろうとした彼女が悪いわけでもない。これは仕方がない事なのかもしれない。仕方がないけれど、それだけでは済まない事もあった。だが、彼女の前に現れた人物と周囲の人達との関わり方が変わった事で、彼女も周囲も変わる事が出来た。止まっていた時がようやく動き出した彼女。ラストはとても幸せな結末だが、彼女に色々とあったからこそ、そのラストも幸せな結末になったのだろう。
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素敵なレビューありがとうございます♪ 色んな『想い』を描きたくて挑戦した作品です。 あと、〆切という壁にも、挑戦してみたくて……。 うみちゃんの言うように、誰が悪い訳でもない。けれど傷ついたり追い詰められたり。 そこから少しずつ変化していく心情を読み取ってくれて、すごく嬉しいですヽ(*´∀`*)ノ.+゚

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