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「鬼に豆をぶつけて幸せを掴みましょう」 「鬼はぁ――外ぉっ!!」  轟音が場を支配した。雷鳴と聞き紛う程の凶悪な着弾音と共に粉塵がもうもうと舞い上がる。  あまりの反動に、固定砲台にしっかりと巻き付けていた縄が盛大に揺れる 「うわっ!」  僅かな縄の弛みを感じた次の瞬間、先頭で引き金を見据えていたついなが固定砲台へと引き戻される―― 「ついな!」  腹部の確かな締め付けと共に、慣性の法則により、ついなへと腹部を支点とした苦しみが襲い掛かる。 「ふぐえっ!?」  その場に踏み止まるのと引き換えに強制的に体をくの字に折り曲げることになったついなは、情けない悲鳴を漏らした。 鬼退治の物語。主人公たちの武器は豆(に見える、弾)。これには粉末状にされた鬼が苦手とする特殊な物質が込められていて、着弾と共に四散。周囲に物質が撒き散らされる。鬼は一定量その物質を吸収すると死ぬ。 主人公は豆蒔ついな(トマキ ツイナ)という名前の少年。豆まきいいい。 今書いたのは鬼の大群に大砲(大)を撃ち込む場面。 基本的な武器は銃ですが、あまりの大群を前に銃だと威力が足りないと判断した機械弄り好きなついな君が、遺物の壊れていた大砲を復活させた。 大砲なのに引き金って書いてあるのは、何て言うんだろ……バズーカというか、こう、レバーを引くタイプの巨大銃みたいなのを想像してるからです。あれ、これ大砲じゃないですよね?
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