Satori

美森さん、長編執筆お疲れ様でした。 ……非常に見所の多い作品でした。 仕事と恋愛。そして成長。 これをオフィスラブという言葉で括ってしまうにはあまりにも惜しい。 序盤、ふたばと祐が素直になれずにすれ違い、望まずして傷つけあってしまう様を、繊細な描写を以て描いています。 想いが通じ合ってからは少しずつ仕事の要素が濃くなっていき、仕事を通して人を知り、分かり合うことによって発展したビジネス展開を思いつくという、仕事における成長も楽しめました。 それは非常にドラマティックで、この作品のひとつの見所であると感じています。 そしてこの素晴らしいドラマは、個性豊かな登場人物によって支えられています。 愛すべき魅力的な登場人物たち。 最初は恋敵かのように登場した紗耶香も、ふたばを目の敵にしていた斉藤も、その中のひとり。 不器用で上手く想いを伝えられず苦しんできたこの二人は、物語が進むにつれて違った印象へと変化していきました。 人を知ることで違う目線で見られるようになり、好きになれる。 これは当たり前のようでいてとても難しい事。 相手を知ることで、優しい気持ちを持てるようになる事を、ふたばというフィルターを通して改めて学ばせていただきました。 彼女にそれが出来るようになったのは、祐と深く分かり合えたこと、彼の愛を素直に受け止めることが出来るようになった事がきっかけとなっていたように思えます。 また、仕事サイドでは人間関係だけではなく、なかなか解決されない難しい社会問題にも着目しています。 結婚後の仕事と家庭のバランス。高齢化に伴う人手不足を助けるキーとして、結婚後の女性に労働力としての期待がかかる現代。 この作品には今もなお多くのビジネス誌で語られるこのテーマが盛り込まれています。 それを踏まえたラストシーン、そしてそこからの物語の締めくくり方は素晴らしかった。 仕事でキャリアを積んだ女性の、理想の未来形を描いたラストは、同じ立場ならば誰しもが共感出来るものではないでしょうか。 物語の余韻が、彼女たちの更なる幸せを予感させてくれました。それが完結を嘆き悲しんだわたしを救ってくれた事は言うまでもありません。(決して大袈裟ではありません!) 多くの読者に愛されてきたこの作品が、ずっと、そしてより多くの人から愛されますように。 そのことを、願って止みません。 素敵な物語をありがとうございました。
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サトリさん、丁寧で作品への愛情がヒシヒシと伝わる素敵なレビューをありがとうございました。 胸が、いっぱいで。 うまくお返事できるかどうか、自信がないのですが。 最初、このお話を書きはじめた時は、もっと恋愛を軸としたお話にするつもりでした。 でも、いざ書いてみると、彼女たちはそれぞれに人格を持ち、自分で勝手に動くようになりました。 そして私にも、あれもこれもテーマに取り入れたいと欲が出てきて、結果あの様なラストシーンになりました。 この作品は、サトリさんをはじめ、「ラブミー」を応援して下さった皆さまの存在と、逆に私なりのやり方で、読者の皆さま(家庭に仕事にと頑張る女性たち)を応援したいと
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