大和虎之介

わが母の 命想いて 涙する 届かぬ想い 岡山 県警
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童貞失格
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鈍色の雲が、街にのしかかるように垂れ込めてい た。 嵐を予感させる烈風が、道ゆく人々の頬をなぶる ように吹きすさぶ。 十一月もあと数日しかあまさない、ある日の昼下 がり。 石神井公園駅の駅頭に、珍妙な風体の男が、あた かも銅像のように威風堂々と屹立していた。 悪童の名残を感じさせる粗野な風貌に、見開いた 三白眼が「らんっ」、と光っている。 への字に結んだ口元からは、何やら尋常ならざる 決意が滲み出ていた。 細身の体をライダースの皮ジャンで包み、色あせ たスリムジーンズの両ひざは派手に破れている。 が、その破れは、いわゆるオシャレ小僧のダメー ジジーンズのそれでないことは、一目瞭然

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