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4日前、友人が亡くなりました。 中学は同じ部活で、高校も同じ学校に通いました。 大学生になってからも、地元に帰ると一緒に遊びました。 今年の夏も一緒に遊んだばかりでした。 そんな彼が亡くなったという連絡が来たのは、21日の深夜1時。 まだ、日が変わったばかりの深夜のことでした。 彼と共通の友人から電話があり、突然、その日の夜に通夜があることを告げられました。 その言葉を信じられず、私は何度も聞き返してしまいました。 電話が終わってからも現実を受け入れられず、茫然としていました。 気づけば朝の6時になっていました。 私は大急ぎで地元に帰り、礼服を買いに行きました。 まさか弱冠二十歳で礼服、しかも黒ネクタイが必要になるとは思ってもいませんでした。 通夜には、中学卒業以来会っていない懐かしい友人たちがいました。 皆、全然変わっていませんでした。 こんなきっかけで再会することになるとは誰一人予想だにしていませんでした。 再会を喜ぶ暇もなく通夜が行われ、それぞれが簡単な挨拶を交わして解散していきます。 若すぎる私たちには、故人を偲んで会話を続けるような余裕などあるわけもありません。 私も例に漏れずそうそうに帰宅しました。 死因は聞いていません。 しかし、棺の中の彼は頭に包帯を巻いており、ケガをしているようでした。 病気や交通事故、事件に巻き込まれたのであれば、何らかの説明があるでしょう。 それもなく、ケガがあるということはつまり……。 そのような邪推をしてしまう自分に嫌気がさします。 家でテレビを見ながら笑っているときにも、不意に彼の死に顔が思い出されて、虚しい気持ちになります。 しばらくは、何かを本気で楽しむことは出来そうにありません。 彼の悩みに気付いてあげられなかったことは、いくら後悔してもしきれません。 彼の亡くなる1か月前に一緒に遊んでいたのに……。 死を間近にした彼の気持ちを考えると、怖くて仕方がなくなります。 9月19日、美しい中秋の名月が輝くその日に彼は亡くなりました。 残された者にとっては、とてもつらい現状ですが、せめて彼が冥界で幸せをつかんでいることを心より祈っています。 親愛なる友人を偲んで  友人M.Y.より
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