旭 晴人

 記念すべき初レビューといことで、張り切っていきますね!  独特の空気感を持った作品。絶妙な距離感を保ったシイナとソータのやり取りは見ていてほのぼの致しました。  また、シイナの叔父や体育委員の女の子など、我が強いわけではないが印象的な登場人物が『日常想起』で三人称で描かれることで、一人称のソータとのやり取りとの緩急、起伏が生まれ、世界観が奥行き有るものになっています。  僕の予想ですが、日常の全てをどこか客観的に見つめていた、そしてそんな生活に一種の退屈を感じていたシイナにとって、ソータとの出会いは(シイナは認めたくないでしょうが)新鮮であり、客観視できない一時であると。一人称と三人称の使い回しは、どうやらそんな意味が込められているようでなりません。  さて、そんな素晴らしい作品である『コトバアソビ』ですが、閲覧数がなかなか伸びないご様子。恐らく余計なお世話だと思いますが、僕としてもこの作品は多くの方に読んでいただきたいので、どうすれば閲覧数が上がるか、について軽く触れたいと思います。  一番の原因は、これが俗に言う『おもしろい作品』では無いことでしょうか。いえ、少し誤解を招く言い方になりましてすみません。  訴えかけるもののある良作=おもしろい。とは限りません。この作品はそう、例えば国語の模試の第二問で出題されるような小説と同じで、読んでいてワクワクする、楽しい、という概念がそもそも無い作品だと感じました。    これは欠点ではありません。しかし最大の弱点であります。  ギャグを入れろ、と言っているわけではありません。ただ、今のままでは『続きを読みたい』と思われる読者様は少ないかと思います。  僕を例に取りますと、三人称の『日常想起』の部分はどうしてもサラ読み、という風になりました。読み疲れるんですね、文が堅いから。  三人称でかつ、ユーモラスに作品を展開する方々はたくさんいらっしゃいます。そういう方から学んでみてはいかがでしょう。  ご自分の作風を貫きつつ、というのは最初は難しいかもしれませんが、三人称が楽しく読みやすくなればそれだけで随分軽やかになると考えます。  長くなりました。以上でレビューとさせていただきます。
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 貴重なご意見、ご感想、本当に有難うございます!!  参考にさせて頂きます。  また、読み込んで下さった事を感じさせて下さり、今後の執筆の励みになりました。  重ね重ね、お礼申し上げます。  実は、この作品最後まで既に流れが決まっていて、終局に向かう形で執筆しているのですが、五エ門サマの感想が自分の見て頂きたい印象に合致しており、何より嬉しく感じました。  感想を頂いたお礼になるかは判りませんが、お伝えさせて頂くと、日常想起部分は全て伏線になっていたりします。  流し読みして貰った上で後から再度読んで頂ければいいなぁと考えていて、寧ろ別々に読むという考え方でもありかと考えています。
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