菊池川詠人

掲載基準についての騒動は一応の解決を見たようですので、エブリスタの投稿作品に対する姿勢について、私の実体験からお伝えしておきたい事があります。 以下はエブリスタの社員さんから聞いた話ではありません。前後の経緯から考えてこうであるはず、という私の判断です。 私の小説作品の一つが年明けぐらいから少年エッジスタでコミカライズされる予定です。 ですがこれは本来なら、いかなる形でも世に出られなかったはずの作品です。 エブリスタのある賞イベントで、持ち込み作品の中に選ばれましたが、出版社はついに採用しませんでした。 普通ならこの時点で、エブリスタは作品化をあきらめたはずです。金にならないですから。 しかし、エブリスタのスタッフは私の当該作品に惚れ込んでいて、それでもあきらめきれず、ならばエブリスタ自身の手でコミック化しよう、と決断したようです。少年エッジスタでのコミカライズはこうして決まったのでしょう。 この時点では、制作コストは完全に株式会社エブリスタ側の持ち出しになっているはずです。作画担当のプロの漫画家さんと数人のアシスタントに対する報酬は支払わなければならないからです。 そしてそのコストを回収できる保証はありません。そのコミカライズ作品が人気になるか、収入になるか、失敗して赤字を出すか? この点は完全にバクチです。 電子書籍大賞2013の授賞式で作家の石田衣良さんが「出版業界がシュリンクしてきている」と公言なさったのを覚えている人も多いでしょう。 この「シュリンク」の意味には、失敗を怖れて本当に優れた才能を世に出さない、という事も含まれているのかもしれません。 ならば埋もれる才能や作品を自腹を切ってでも世に出そう。 少なくとも私の当該作品に関しては、それがエブリスタの姿勢です。 ならば多少の矛盾や理不尽があっても、クリエイター側も企業としての苦悩を察して、清濁合わせ飲む。 それがプロを目指す、あるいはアマチュアとしてでも多くの人に自分の作品を鑑賞して欲しいと思うクリエイターの取るべき態度ではないでしょうか。
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今更ですがベンチャー思考と言いますか、十のうちの三が成功したらトントンだとしたら……活性化したり道を拓いたりとの功績は残るわけだから企業というか、業界団体との視野からはプラスだなぁなんて。 考えは様々ですが、何もかもが安全ラインしかいかないならばスケールメリット生かすか地元の利を生かすか位しか。 人材と言うか作品と言うか、扱う何かを手にするための土壌に力を入れてみる行為は賭博でもなんでもなく、まさに営業かも知れませんね。
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