社畜の貴貴

ピンポーン! 自宅に鳴り響く、来客の知らせ。 家には誰もいない。必然的に出るのは俺。 部屋から出て、階段を下り、玄関を目指す。 静まり返った家には、玄関から聞こえる騒ぎ声だけが聞こえていた。 ガラガラッ! 『あ、誕生日』 『おめでとー!』 『ドンドンパフパフー』 「…………いや、いきなりなんだよ?」 『ん?突撃!アポなし誕生日プレゼント!だけど知らない?』 「知らねぇよ」 『とりあえずハイ!誕生日プレゼント!』 『あ、これ俺からね』 『これ、マキから!』 まず、最初に渡されたのは、ワンホールのケーキが入っているであろう箱。 そして、その上にケーキが入っているであろう箱が置かれる。 そのまた上に、ケーキが入っているであろう箱が置かれる。 「……は?意味がわからないんだけど……」 『誕生日だろ?』 「いや、まぁ、それはわかってるんだけど………誕生日プレゼントにケーキ3ホールって何?理解出来ないんだけど……それに三つとも〇〇〇のケーキだよね?」 『うん。なに買えばいいかわからないから、個人で買うことにしたら………こうなった』 「被ったなら変えようよ……ケーキしか頭に浮かばなかったの?俺、時計とか趣味あったよね?」 『まぁ、いいじゃん!お前、ケーキ好きだろ?!』 「嫌いじゃないけど、好きでもないね……まぁ嫌いになりそうだけど」 『『『あははは!』』』 『じゃ!後で飲み奢ってやるよ!』 それだけ言い残し、玄関先に停められていた車へと駆け込んでいく3人。 「………」 手元に積み上げられたケーキに視線を落とし、静かに泣いた。 「…………本当はケーキ嫌いだよ………」
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可哀想(/_;) あはははははははははははは! ケーキのワンホール…かなりの量そして超絶高カロリー…気持ち悪くなるわ。

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