たすう存在

僭越ながら、十章の「競争する驢馬」についての感想などを。 まず、僕程度の者からアドバイスなどは到底できませんが、一つだけ言わせていただきますと、自作は期間を置いて何度でも読み返されると良いかと思います。 文章表現はとても上手なのですが、ごくたまに主語と述語が一致していない文や誤字(誤字はこの章ではないですが)が見受けられます。 こういった箇所を発見することや、期間を置いて自分の文章を練り直すこともまた良い練習になるかも知れません(←半ば自分自身に向けての言葉でもあります^^;)。 で、以下はただの感想です。 ノマド全般がですが、社会をおとぎ話としてデイフォルメした、という感じがしますね。 その中でも特にこの章は風刺とアイデアがくっきりと際立っているようです。 そして、驚くべきことにこの章にはごく一部、赤い夕日とある以外には、一切状況描写がありません。 これが独特のふわふわとしたおとぎ話感を生み出しているのかも知れません。 ただこのことは本当にすごい技術だとは思うのですが、あくまで僕の個人的な感想を言わせていただくと、これは読みにくいと感じました。 文章は読みやすいのに情景がイメージできないため、作品世界に浸るための取っ掛かりが掴めなかったのです。 また、これもわざと描かなかったのかも知れませんが、倒産した会社の業種や業態なども欲しかったところです。 アイデアはとても独自色が出ていて面白いと思いました。 特に悪政の行き着く先、まるでゲームのように社長命令を枕として社員同士が命令をしあうところなどは秀逸です。 ただ最後の項の締めとなるキーワードの「遣り甲斐」は、それまでの混乱の経緯からの連続性が薄いように感じましたので、主人公がそれが重要と気付くエピソードがあと一つ欲しかったところです。 えと、だいたいこんな感じなのですが、感想はあくまで僕にとっての感想ですので、直した方がいい、という意味ではありません。 むしろ、これが良いのだという方もたくさんいると思います。 念のため。
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多数パパ、レビューに紳士なアドバイス有り難う御座います。 そうですね、自分自身再読して、続く作品に生かしていきたいと思います。

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