『Goddess of love』講評 /_novel_view?w=21404052 その① ※※一部ネタバレを含みますのでご注意ください※※  ギリシャ神話をはじめとしたさまざまな神話世界をないまぜにしたユニークな設定がまず興味を惹きました。  ひとり暮らしの内気な少年の目の前に突如3人もの女神が現れ、いきなりハーレム展開に持ち込まれる冒頭の展開もキャッチーで、読み始めてすぐに物語世界へと引きこまれます。 「神話知識が間違いなく増えます」という、作者のお蝶さんのうたい文句通り、随所に散りばめられた神話知識のウンチクが楽しく、過剰ではなく説明不足でもない適度なバランスを保っていてよくまとまっていると思いました。  しかしながら惜しいと感じた部分もいくつかありまして、まずキャラクターについては、まず主人公の春先幸人が終始受け身キャラになっていて、ほとんど活躍しないところが歯がゆく感じました。  春人は「言葉のハッタリがうまい」という設定で、何ヶ所かでその才能を披露していますが、この設定を生かすならば、詐欺師のような巧みな話術を使うとか、通販チャンネルのバイヤーのようにごとく立て板に水でまくしたてて相手を巧みに自分のペースにはめていくなど、どう「言葉のハッタリがうまい」のかを見せていく必要があるでしょう。  ただしそれがコミック向きの設定かというとまったく逆で、それをそのままコミックにしてしまうと、その場面のページは恐らくセリフのフキダシだらけになってしまうでしょう。まったく解決方法がないわけではありませんが、基本的には、これは小説向きのアイデアと言えるでしょう。
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素晴らしい講評ですね。 流石はプロ。 適格だと思いました。 この通り出直ししたら凄い作品になりそうですね!

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