カイジ

 毎日きっかり朝の八時に僕は電車に乗る。  発車は八時十五分、始発電車。  この十五分間という短いようで長い時間を僕は毎日の如く楽しんでいる。  無駄なようで無駄じゃない時間。  そして、数分経ってから、長い黒髪の君が来て、僕の隣に座るんだ。  席は一杯空いているのに、君は僕の隣に座る。最初は戸惑っていたが、一年経った今では当たり前になっているから気にしない。  話すわけでも、触れ合うわけでもない。  ただ同じ空間の隣の席にいるだけ。  そんな空間が僕は好きでたまらなかった。  そして時間はあっという間にすぎる。  君は二駅。僕は三駅で降りる。  毎日君は僕を一瞥するから勘違いの材料になって仕方がないのだ。  しかし、今日はなんだか表情がおかしかったような気がした。  ふと、君がいた席を見る。  すでに違う人が座ろうとしているその席には生徒手帳が落ちていた。  きっと君のなんだろう。明日返してあげよう。なんて考えながら生徒手帳を手に取り、中身を確認してみる。  身分証のとこには君の写真があり、中にはメモ用紙が二枚ほど畳まれて入っていた。 『一年間隣の席だった貴方へ。一年間隣の席だった私より』  そのメモにはつらつらと、君の思いが書かれていた。  僕と同じくこの時間が好きだったこと。いつも同じ時間に僕がいて驚いたこと。ずっと眠ってる君を僕がそっと起こしてあげたとき感謝していたこと。そして…… 『私は今日がこの時間のこの電車に乗るのが最後になります。名前も知らない貴方に言うのは変な気もしますが言わずにはいれませんでした』 『一年間隣の席にいてくれてありがとうございました』  人の出会いは一期一会。出会いがあれば別れがある。  君は僕の名前は知らないけれど僕は君の名前を知ってしまったから。  今度、もしあうことが会ったら、ちゃんと自己紹介をしよう。 っていう恋物語リアルにあったら素敵ですよねー←
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おぉ、なかなか良い…… 短編で書いちゃいなさいw
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短編でやらずに即興でやるから「あれ?いい感じじゃね?」となるんですwww 短編やったらグダグダ感が満載でござぁすよwww

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