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「悲恋:続き」  彼女が恋人に連れられて失踪したとの報せが入ったのは、その数日後だった。 「しかたがない」  二人でよく訪れたカフェで、たまには趣向を変えて、と彼女がいつも注文していたラテを飲む。 「……これが、彼女の答えなんだ」  あの日の雨が、再び頬を濡らす。慌てて拭い――目尻より投下された新たな滴が、指先に触れた。 「…………」  溢れる感情を、嗚咽を噛み殺し、僕はあの日の彼女を真似して俯く。  私、あの人と駆け落ちするんだって。そうしたら、あなたにはもう会えないの。  彼女との最後の記憶が、悲しみに埋もれる脳内を過ぎった。  私はどうすればいいと思う? 「僕には何も言えないよ……ばいばい」  いかないで欲しかったな。  伝えなかった答えは、僕の奥深くにそっとしまいこんだ。 [link:novel_page?w=22157643&page=36]の、男サイドです。 #私の文章に絶対似合うのになんでコイツ書かないんだよってジャンルや設定があったら教えてくださいタグで、黒兎さんが「悲恋とか似合いそう」と言ってくださったので、僭越ながら書かせていただきました!! これと、あと↑のリンク先だけだと分かりにくいので、反響があったら今度女サイドも書いてみようかなー、とか考えてます 感想等ございましたら、お気軽にコメントくださいーっ!!
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