夏月 海桜

大人の恋愛。それは、躰の関係がつきもの、だったり、ドロドロした人間関係がつきもの、だと思っていた。別にそれを否定するつもりは無い。純愛は、ただただ純粋に相手を思うだけの心。そう思っていた。それも間違いじゃない。しかし、相手を思うだけではなく、相手を思いやる事も純愛なのだ、と改めて知らされた作品が本作品だ。主人公は成人した女性。過去の事情から恋愛はした事がなく、友人も少ない、主人公いわく普通の女性。そんな彼女に、晴天の霹靂とばかりな事態が沸き起こる。それが物語のスタートだ。主人公の葛藤や不安。誰しも経験した事がある悩みで、共感を呼ぶと共に、自分が主人公の友人になったつもりで、主人公に叱咤激励を送ってしまう。本作品は、主人公の初恋とその恋が叶うまでのリアリティー溢れる恋愛小説。リアリティー溢れるとは何か。丁寧な心理描写、という意味だ。主人公の心理が手に取るように理解出来る。また、主人公を取り巻く登場人物の描写と恋愛も描かれていて、恋愛群像小説とも言える。それも、登場人物の恋愛が入る事に違和感が全く無い。入っている事も、主人公の恋愛に進展を促すものとなっている。主人公の知っている登場人物の恋愛。その登場人物達の恋愛を全ては知らない主人公。その隠された部分さえも主人公の恋愛のスパイスになっているような……。さらに、後半は、主人公の恋人の過去が明かされる。それによって、物語に人間ドラマの厚みも加わり、大きな愛も考えさせられる。完璧な人間などいない、とばかりの登場人物達の悩みや不安……。ただの恋愛小説じゃない事がつくづく解らされる。計算された上での作品なのか、作者の心の赴くままの作品なのか。それは解らないが、どちらにせよ、我々読者は、大人の純愛小説を描いたこの作品にはまってしまうだろう。この作品にはまったら、もう最後まで読みきる、途中で抜け出せない作品である事に違いない。番外編があるという本作品、主人公のその後もさることながら、登場人物それぞれのその後も気になって仕方がない。
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レビューありがとうございます! とても丁寧に綴って下さって、しっかり踏み込んで読んでもらえたんだと感動を覚えています! ページ数の多い作品でしたのに、本当にありがとうございます(*^▽^*) 夏月さんが仰って下さった通りこの作品には男女のドロドロ感は一切無くて、大人の恋を求めている人には物足りないんじゃないかなと作者として思ってました。 でもその点も含めて肯定的にレビューして下さって、とても嬉しく安堵しています。 計算は…そんな大それた事はしてないです(笑) おかげで伏線回収に四苦八苦しました(^-^; 番外編も読んで下さり、感謝の念に尽きません。 引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。

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