藤村 最

 文体が軽やかで、主人公と読者が同じ目線で読み進められる、とても読み易い作品です。  何より、携帯媒体で読む事を意識した改行や台詞の挿入の具合が秀逸で、一気に読み進める事が出来ました。  キャラクターも多彩かつ魅力的で、万人に好かれる作品であるように感じられました。  内容に関しても『ハーレム』や『美少女』といったラノベではありがちなテーマでありながらも、キャラクターの個性やハーレムを競って奪うという趣旨で、上手に他の作品と違った色付けがされているように思います。  ただ、物語が突飛に感じる点や、本筋に関係無いところで長くなったりするところが気になりました。  またキャラクターの名前もかなりの速度で増えていくので、「こんな娘かな」と想像する前に次のシーンに進んでしまい、把握しきれず何度か戻って読み返しする必要がありました。  インパクトが強い個性的なキャラクター達が登場するので、一人一人の外見や雰囲気、エピソードを細かく表現してあげてもよいのではないかと思います。  全体的に今の書き方を邪魔しない程度の説明、情報を書き加えてあげることで、更に読み易く、情景が浮かべやすい作品になるのではないでしょうか。  作者が物語に入り込み、ノって書いている時は更新も早くなり、読者にとってもとても良い状態で読んでいけます。  ですが、時には読み返し、誤字や文法の違和感、気になったところを再編することで、作品が更に素晴らしくなるのではないかと思います。  そんな多大な発展性を秘めた作品のように感じました。  今後の展開に期待を込め、陰ながら応援させて頂きます。
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