REVENGER初詣SS ----  初詣にアスカ、ユノア、ユウカと一緒にやってきた。 「……おいしいごはんが、食べたい……」  隣で手を合わせるユノアがそんな願い事を言った。  その言い方だと普段食べてるご飯がおいしくないみたいじゃないか。 「パパとママが、ケンカしませんように……」  健気なユウカにパパ泣いちゃいそうだよ。ごめんね。アスカと仲良くするよ。  とりあえず、隠してるイケない聖書たちの処分から始めよう。  アスカの方を見れば、アスカもユウカのお願いに申し訳なく思ってるのか眉間にシワを寄せている。 「さて、それじゃあ、おみくじでも引いて帰るか」  俺がそう言うと、ユノアとユウカが「おみくじー」と喜びながら売り場に走って行った。  隣のアスカに目を移すと微笑ましそうに笑っていた。 「なあ、アスカ、どんな願い事したんだ?」 「んー、アンタが教えてくれたらウチも教えたげる」  これは珍しい。不機嫌になるわけでもなく、ちょっと楽しそうに笑いながら答えるとはな。  まあ、教えて損になるものでもないし、教えてやろうか。 「んー、俺の願い事は--」 「「みんなが楽しく暮らせますように」」  唐突に被せられた言葉に驚いてアスカの方を見る。アスカがしたり顔で笑っていた。  俺がなんで分かったのか問いかけるよりも早くアスカが口を開いた。 「アンタの考えることなんてサルでも分かんのよ。まあ、ウチの願い事がアンタと同じ……だったんだけどね」  そう言ってはにかんで笑うアスカはとてつもなく可愛かった。  これは卑怯だ。不意討ちにも程がある。ああ、今しか渡す瞬間が無いじゃないか。  俺はポケットに忍ばせておいた包みをアスカに突きつける。何か分からないらしく、アスカは目をパチパチしている。
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