栄妙子

タマコ女将が艶っぽく語る独特の世界に引き込まれました。 妖怪が集まる旅館『伏魔ご殿』に、人に捨てられ未練のあまり九十九神となった従業員に、『ノマド公園』のヒロインが猫又の女将を演じる和風ファンタジーの世界は、温かく魅力的です。 しかも恋に悩むサトリと忘れられた傘化、そんな彼等を救うために頑張るタマコ女将の優しさと、細やかな気遣いが温かく、心が和みます。 変化に失敗して髪に鈴の飾りを残してしまうのも、愛嬌があって素敵です。 むしろ変化が完璧すぎたらタマコ女将がかわいく見えないと思います。 結局サトリの恋がどうなるのかはわからないけれど、このお話はここで終わってちょうどいいと感じました。 伏魔ご殿という心の居場所ができて安心できるからです。 野窓町の猫が集まる民宿も素敵ですが、伏魔ご殿のタマコ女将に会ってみたくなりました。
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 有り難うございます。  タマコの存在なくして執筆出来なかった物語だったと思います。  読み返してみて、とんでもない作品書いてたんだと驚きました。  別枠で本編を短編集化したのに着手しますが、そちらもお楽しみ頂ければ。

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