まさりみか

【追記】 最近、続編の奇行会をこの話はどんな人間模様になってるのだろうと思いながら読んでいて『僕と23人の…』に感動したことを思い出したので追記。 人の心情や交わり方生き方についていろいろ考えさせられ読み終わった時、そっちの印象が強くて前回レビューを書きましたが、世界の有機的なつながりやそれが明らかになっていく爽快感にも感動しました。 奴隷区の世界をさかのぼること二十余年前のある交差から始まった小さな物語が根を張り枝を伸ばしバラバラの人生を繋ぎ合わせて一つの壮大な物語になる。 それが明らかになっていくときに人の繋がりの不思議さを感じ、因果応報や縁といった言葉が浮かんでき、どきどき、なるほどと思い蜘蛛の巣のような織りに感動しました。 番外区でもその楽しみが増しましたし。 出会うべくして関わり合うべくして出会った彼らの戦いと解放。 精神的に大悟して強くなったと思われる彼ら、でも人は悟ったと思ってもなかなか解脱まではいかない。 続編で誰が出てきて、どんな形でまた迷い戦うのか楽しみに奇行会を読み進めます。 【2014/01/14 11:54】 負けず屈せず諦めず今やれることをやり、みっともなくていい噛り付いても自分が誇りを持てるよう正々堂々前を向いて生きる……私がこの本から受け取ったメッセージ。 下を向けばいくらでも下はあり、歩くのが嫌で楽を求めてその中に落ちていくこともできる。 しかし、ただその方が気持ちがいいからってそんなシンプルな想いでいいから人のために少しはなれるかなとか、心から人と笑えるかなって思ったり、平凡でも穏やかな日が最高の喜びなんだって思えるなら前を向いて歩く。 そんな当たり前が幸せなんだ、だから生きていこうって思わせてくれる物語でした。 何人もの壮絶な人生を生き、感情をそして人生を投影させた先に観るもの。 読み終わった瞬間ホッと肩の荷を下ろして平和な気持ちになる。 それを味わうだけでもこの本は読む価値があると思います。
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