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幻影
岡田朔
2014/1/22 20:10
遺体安置所から夢のシーン。 どう続いていくのかとドキドキしながら読みました。 全体的に乾いたような空気が漂う様な淡々とした書き方が、後の狂気を引き立たせて良いですね。 自分のメールが原因で夫が車に撥ねられた、その事実を受け止める事が出来ず、現実から逃避してしまった妻の愛情。 これは夫に対する愛なのか、自己愛なのか少し難しい愛の形だと思います。 夫が生きていると信じ続けその幻影を見続ける。 しかし、手料理を食べてくれないと写真相手に愚痴っている辺り、既に破綻しかけているとも言えるわけで。 徐々に愛故に夫への不信感や怒りが今後高まっていくだろう中、その時妻はどういう行動に出るのだろうかと、少し深読みしてしまいました。 作者さんなら近所の主婦達の話からのネタバレではなく更に狂気を感じさせるラストを書けそうな気がするので、今後に更なる期待をしたいと思います。 後少しページ数を増やして、警察で初めて知った事実を受け止められずに狂気を帯びていく妻の変化が書かれていても面白かったかなとも思いました。 既に狂ってしまった人間も怖いですが、狂いつつある人間はとても怖いと思うので。
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岡田朔