清野 熙

拝読しました。 文脈が好きです、とても丁寧に書かれてあり 作者の気概を存分に堪能できる作品です。 慎重に選ばれた一つ一つの語彙(ことば)がセンテンス(文)になり 丁寧に纏められて練りあげた文章が構築されているという印象を受けました。 登場人物達の若さゆえの空虚、とでも申しましょうかその心情が 淡々としているけれども動もすれば退廃していってしまいそうな 日常と交錯する心象が上手く現わされています。 著者の持ち得ておられる鋭い感性の賜物とも思いました。 内容の濃い質の高い作品に仕上がっていて 奥深さが感じられるからこそなのですが 若い読者でさっと物語の雰囲気を捉えたい人には読み進めるのが ちょっと手間なのではないかと... 作者は思案の末に選び抜いた語彙へ自らの思いの丈を込めて 小説の中へ解き放ちますが、必ずしも読み手が其の侭に 受け止めるかは分かりません、そこが小説の面白くもあり怖さでもあります。 だからといってそんな事ばかりを危惧していては 小説が持てる意義は到底果たせません。 長けた俯瞰が客観を論じていると読者に納得させれられれば良いのかもしれないです。 但しこれはあくまでも私的な心配です。 恐らく著者はすっと上辺だけをなぞって読了する者ではなく 読み進めながら、また読み終わった後にでもじんわりと 作者が作品へ込めた想いと対峙して 読者自信の心と語りあえるような隙を設けたのかとも。 そしてなにげないときに『コトバアソビ』という作品そのものや 登場人物が発した言葉に想いを馳せてゆき やがてそれらが著者の想いにまで触れることとなり 次第にその心へと繋がってゆくのだろうと感じました。 続きがとても気になりますし、結末まで読了したいです。 作者の澎湃する想いは作品を通し必ずや読者へ伝わります 執筆連載がんばってください。 拙レビュー失礼しました。

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