rossony07

「張り紙読んだか?」 「うん。頂戴」  渋々と言った様子で、店主は実に手際よく、出来立てをパックに詰めてくれた。 「訴えないでくれよ?」  頷き、焼きそばを受け取った。ずっしりと重く、赤々とした焼きそばが陽を浴びて、これでもかと色を自己主張している。  テーブルに座り、割り箸を持つ。  手を合わせてから、麺を一気に口へ運んだ。 「…………普通だな」  これなら私の作るホットドッグの方がまだ辛い。  誇大広告をするような店主にも見えないし、これは一体どういうことなのだろうか。  とりあえず半分くらい食べてからにしよう。それで、味を変える意味も込めて、店主からソースをもらおう。  これじゃなんだか微妙な気分のままで終わってしまう。 「……ん?」  ふと、賑やかな声のする方へ視線を向けた。  この辺の学生なのだろうか? 六人の集団が広場へ現れた。 (……車椅子?)  その内の一人に目が行ってしまった。……どうやら車椅子になるくらい重大な障害を抱えているらしい。  私の周りにはそういった奴はいないので、自然と目が行ってしまった。  なんせ、そうなる前に皆死ぬから。

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