rossony07

 それだけに、残りの二人の情報がないというのは全くもって不可思議。  あらゆる分野のスペシャリストである彼女ですら、あの二人の情報は掴めなかったということになる。  つまり、 (それだけ防衛省が本気を出している、ってことなのか……?)  どちらにせよ、注意が必要だ。  不要な事柄に首を突っ込んで身を滅ぼしました、では笑えない。  そんなことを考えていたら、落ち着いたのか恋澄が戻ってきた。  ……というか、戻ってくるんだね。 「死ぬかと思った……」 「……そんなに辛くないと思うんだけどな」  席を立ち、店主にソースの追加を頼むが、断られてしまった。  『俺が捕まっちまう!』とか何とかで、とても必死な様子だったので、渋々引き下がった。 「……まあ、我慢するか」  多少物足りないが、この際我慢して一気に食べてしまおう。  そう考え、また焼きそばを食べていると、恋澄が口を開いた。  雰囲気からすると、“真面目な話”だろう。 「単刀直入に言おうかなー。隼垣涼一郎を返す気ない?」  まあ、そう来るよね。

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