rossony07

〈心配してくれてありがとうございます。ですが、すぐに仕掛けて来ませんよ〉  えらく断定的な物言いだった。  常に最悪を想定しているような人間が吐く台詞とは思えない。 「……何だか随分のんびりしているね」 〈経験則、そう思っておいてください〉  煙に巻くのが彼女のやり口だが、今回ばかりは否定的になってしまう。 「ねえプロジア、やる気はあるの?」 〈手を抜いてこなせる任務なら、最初から私は出ていませんよ?〉  それを言われると、弱い。  彼女が出る、というのはそれだけ切羽詰まった状況だ、ということなのだ。  彼女との任務は大体死に掛けると言えば分かってもらえるだろうか。 〈バックがバックですからね。私もそれなりのシミュレーションはしているのです〉 「へー。誰?」  プロジアがそこまで言う相手は、そういない。    興味本位。ただそれだけで聞いてみた。 〈久次優です〉  あぁ、なるほど。  プロジアが警戒するわけだ。  確かプロジアに『してやられました……』と言わせた相手だったな。  それなら彼女が出てきた理由も分かる。

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