rossony07

 つまるところ、これはリターンマッチなのだろう。 〈あの狸さんのことです。今この瞬間、ディー。貴方の真上に核を落としても不思議じゃありませんよ?〉 「……随分、厄介なのに喧嘩売っているね、私達」 〈まあ、そういう訳なので、そろそろ戻って来てくれませんか? そっちも“色々”あったようなので〉 「……何の事?」 〈声で分かりますよ。貴方は何かに動揺している。……違うというなら、そう言ってください〉  口を開こうとしたら、すかさずプロジアが次の言葉を発した。  相変わらず舌戦は叶いそうにないな。 〈迷っていたら死にます。それが良い選択だろうが悪い選択だろうが、選べなかったら死ぬだけです〉  告げられたのは冷酷ともいえる一言。  それだけに、目が覚めた。 「……すぐ戻る」 〈はい。お待ちしていますね〉  通話が終わった携帯端末をしばらく見つめてしまっていた。  ……どうしてこう、彼女は私を抉りにくるんだろうね。 「忌々しいよ、本当に」  良くも悪くも、彼女は私にとっての上司ということか。

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