rossony07

 着信がありました。  携帯電話を取って、耳に押し当てると、良く知った声が。 〈中々味な真似をしてくれるわね、プロジア〉 「あらあら。良く私の番号が分かりましたねフライン」  レイブンズ頭目であるフライン。……来ると思っていましたよ。 〈私達より先に隼垣涼一郎を確保するとはやられたわ。クソったれ〉 「いえいえ。運が良かっただけですよ。それで、貴女はいつ来るのですか? 先ほどから下の動きしか分からないのですが」 〈来てほしいのならいつでも行くけど?〉 「ぜひ来てください。負けていいのなら、ですが」 〈ええ。勝つために、行かせてもらうわ〉  そう言って切れた携帯電話をポケットにしまい、私は歩き出します。  状況はこちらの五分と五分。  最初の隼垣さんを拉致した時点でこちらの有利。  彼らが来る前に友人方が助けに来た時点でこちらの……。 (だからこその二段構えなのですがね)  さて、と。  明らかにこちらを挑発していると思われる爆発でしたね。  教科書通りの陽動。

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