rossony07

(爆発音が多い。……手こずっているのか?)  いつにも増して爆発音が多いことに、私は驚いていた。  基本的に『爆破』は織り交ぜる程度なのに、今回は押し出している。 (それだけの相手なんだね。《歩く武器庫》は)  『私を殺せる相手が私の所に来ます』。プロジアはそう言っていた。  自分は囮程度に時間は取られない。  彼女の言葉は常に経験に基づいて出される言葉。比喩でもなんでもなく、事実しか言わない。 (どれだけ時間を無駄にさせられるかが、勝敗の分かれ目だね。恋澄アンヌ)  奴はきっと来る。そして、その片割れも。 (……彼女たちが私の焦がれる存在なら……)  きっと、苦戦する。  間違いなく。  『レイブンズ』のフライン以上の、最強の敵となるだろう。  私の境界線を保つためには彼女たちを――。 (分かっていてぶつけたな、プロジア)  相変わらずプロジアの手のひらだということに、私は酷く苛立つ。  こうして現実と理想を分からせていく彼女のやり口と来たら……。 (……気配)  物陰に隠れた私の手には既に、愛銃が握られていた。

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