ビリー

 ども。なんとか割と早い段階で読み終えられたので、内容忘れる前に早速書かせていただきたいと思います。  まずは前作darknessと比較すると。  言葉の一つ一つに説得力がついてくるようになりましたね。相変わらず地文における視点変更は唐突かつ数が多いので危うい気がしますが、非常に良い進歩だと思います。正直視点変更に関しては、改行増やして視覚的に間を置くだけでもかなり分かりやすくなるのでどうにかなります。  そして、前作のレビューでも言わせていただいた通り、やはり重要なのは演出。今回気になったのは終わらせかたでした。  姿が変化してしまったメイを励ましながら、今後についてほのめかす。終わり。簡単に言うとこんな締めになってますね。  さて、果たしてこれは一つの作品の締めくくりとしていいのでしょうか?  シリーズものとは言え、やはりこれはこれで一冊の作品。なんというか、どうにも次の作品を読ませようとする意図が見え隠れするような印象で、微妙な気分になりました。これは前作darknessでは感じなかったことです。  以前は起承転結の承が足りないと言わせていただいたわけですが、今回は要所要所で結が足りてない感じがしました。  それはたとえばキスシーンを目撃してしまったエミリーのその後が一切語られないまましばらくして普通に戻ってきたり、戦争始まったにしろ護衛任務関連がどうなったのか一切触れられなかったり。  非常に細かい点ではあるんですが、大方のことが出来ているために、やはりそこまでのクオリティを求めたくなります。  もっと細かい単位における起承転結に対しても慎重にやっていきましょう。  総評して、全体感はかなりいいです。俺の好みというのもありますが、エブでそんじょそこらにいる微妙な作品書いてる人気作家よりはるかに面白いし、丁寧だと思います。  なんだかんだ言って次回作を読ませる、あるいは期待できるだけのポテンシャルはあると思いますし。  もっともっと表現を研ぎ澄まして、切磋琢磨してください。このシリーズがどんなエンディングを迎えるのか、楽しみにしています。  長文失礼しました。
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