りょうこ

人間の根底に語りかける正統派作品ですね。 徹底した下調べなのか、作者の経験を一部取り入れてるように感じました。 小さな葉子が幼い日の自分に重なったのでしょうか。 葉子を手に入れることが、即ち、アカリが望んでも叶えることのなかった心の空虚を埋めてくれる。 人間にとって「認める」「許す」はとても難しいこと。 誰の為ではなく護るべく子供の為に「認める」事が一歩で、その踏み出した一歩こそが人生を左右するのに、大人はどうしてこの場面で回り道に入り込むんでしょうね。 自分の感情や怒りは一端抑え、相手の立場だけを考え理解し「許す」 回り道が人間の弱さなら許すは人間の強さのように感じました。 アカリとユカリの葉子をめぐる逆転大岡裁きは良心とのせめぎ合いで、まるで母親の愛を取り合っている子供のようにも写り 知らされることのなかった家族の負の連鎖を突きつけられ、アカリとユカリの心は遂に開放され浄化される。 彼女の自我の成長はトキオにどんな明るい未来を持たらすのでしょう。 ステキな作品でした。

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