むらさき

フィクションの恋愛小説は、現実世界では、自分には起こらないであろう憧れを乗せてヒロインになり、夢の世界へと誘わせてくれるけれどノンフィクションの恋愛小説は、負の感情も、避けたい感情もあり、直視したくない事実もあり、敬遠してきました しかし、心境の変化から読んでみたくなり目にしたのが この『純恋歌』でした この小説は、最初は出会い系体験談という、ちょっとエロの中に収められていて、違和感を覚えたのですが、一際輝きを放っていました チャラいけど、とても頭のいい人!という第一印象でしたが、本当は真面目で楽しくて誠実な上に頭脳明晰、爽やか、欠点があるとしたら、ちょっと不器用? それでも好感の持てる人に変わって行きました 読むにつれ、ゆかさんとこうさんの、甘さの中にも切なさ、悲しさ、苦しさを感じ、共感できる部分も多くあり、ゆかさんは、気遣いができ、思いやりと優しさに溢れ繊細で、とても女性らしくて聡明な人である事と、素直…こうさんを深く好きになるにつれ、ゆかさんの心の動きに、胸の奥で甘く切ない痛みに、気がついたら私の目からは涙が溢れていました そこには、こうさんの高い文章力もあると思うのですが、いかに自分がゆかさんの事を深く愛していたか…という一方的な気持ちより、ゆかさんのありのままの姿と心情、自身の下心等も素直で、二人を取り巻く人達の事も脇役としてぞんざいに扱う事なく、大切に書かれているし、背景描写も細やかで、比喩、対比等を用いて、手を抜く事なく表情豊かに表現されていて、まるで映画を観た後のようにストン!と、心の奥深くに小気味いい感動を落としています 恋愛に対して臆病だった私に、プロの書く小説よりも、人を好きになる素晴らしさを教えてくれた忘れられない一冊となりました いつか、こうさんのような素敵な男性に巡り会えるよう、ゆかさんのような可憐な女性になれるよう努力し、お二人に負けないような恋をしたくなりました この小説に巡り合わせてもらえた事と、こんな素敵な恋をし書いて下さったこうさんに敬愛の念を込めて、心から感謝致します ありがとうございました

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