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河山タカヒロ
rossony07
2014/5/5 0:09
「つぅ――!」 屈んだまま、私は足払いの要領で、左足の爪先を彼女の剣にぶつけていた。 爪先に鉄板を仕込んでいたからこそ出来る芸当だ。 普通なら更に追撃。 だがそれ以上の追撃をすることなく、愛良は背後の樹へと跳んだ。 ――またあの攻撃か。 しかし、予想とは裏腹に彼女はそのまま姿を消した。 (……逃げた?) 気配は感じない。 「っ! すばしっこい……!」 私の意識の外から感じた殺気。 愛良だ。 どうやら跳んだ先とは全く違う方向から強襲してきたらしい。 小柄な体型を最大限に活かした動き。 (……落ち着け) 左の突きを蹴りで逸らし、右の振り上げは冷静に下がる。 その振り上げの隙を突く――! 「そう来ると思っていました……!」 そう喋ると共に、愛良は振り上げた姿勢から更に身体を捻った。 その動作を見た瞬間、背中に薄ら寒いモノを覚え、私は滅多に使わないナイフを抜いていた。 そこからはまさに閃光の業と言っても過言ではなかった。
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rossony07