9×9=81

最後まで読まさせていただきました。 さまざまな不条理の立場の中を、かみしめながら生き抜いてきた心と精神が大人な少年少女たちの世間に対しての生き残りをかけた成長譚。しかし、その中でも仁義を持ったやり取りが楽しく、時に初々しく胸を打たれ、不可能を可能にしてゆく逆転劇に爽快を感じる怪盗アクションでした。 一人一人が過去から現代にいたるまで色濃く描かれており、語り部であるヒロインだけではなく、章のたびに焦点になるキャラクターであり、ヒロインと同じ気持ちで共感できる良い話の置き方でした。 この作品の素晴らしいところは、キャラや設定が濃くても、「絶対人間」というところがポイント。ルパンとか別の漫画みたいに特別で特殊な能力を用いることなく、少年少女らしい能力の限界をフル活用させて挑むという、ほほえましくも頼もしい活躍。そして、必ず失敗が迫っていても機転を利かせるという、器用な人間の姿が、見た目の幼さとは逆の姿で描かれています。 恋愛シーンについても同様です。同じ釜の飯を食う(ヒロイン視点なのに、大分男らしい表現ですが)ことによって編み出される絆から、次第に一途な好意となってお互いに心を触れ合わせるのは、アクションが多いこの作品では一番のヒールスポットであり、素晴らしく飾ったエンディング。何よりも、ヒロイン達の背負った過去が、余計に好意の結びつきを濃くしていて、恋人という見方よりは、心を落ち着かせる止まり木みたいな存在のようにお互いを思っているという心情はこの作品にしかない名シーンだと思います。 絶望からの泥沼から、さし延ばされた天の手の様に、犯罪という黒の部分を絆という光で照らしてるような、ハートフルな作品でした。
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こんにちは! この度は素敵なレビューを頂きありがとうございます! 盗賊物語の読了ありがとうございます。 この作品で伝えたい事が伝わっていたというのは、とても嬉しいです。ギャグの色が濃すぎて……(笑) これからも少しずつですが、番外編などを公開していく予定ですので、そちらも読んで頂けたら嬉しいなぁと思います! とても素敵なレビューなのに、こんなにも簡単な返信でとても申し訳ないのですが、本当にありがとうございました! これからも盗賊達をよろしくお願いします!

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