一ノ瀬 八雲

先ずは、イベントお疲れ様でした。 タイトルに惹かれページを捲り、驚きました。 難解極まりないネオ幾何学を、この様に分かり易く説明されている物を、今まで読んだ事がありませんでした。 単にネオ幾何学を説明するだけでなく、そこにミステリーやコメディを足すという荒技は、流石です。 しかし…。 読み進めて行く内に、途中でお腹一杯になった感も否めません。 理由は、物語の調理法方だと思います。 例えるならば、大手チェーン店料理の様に、セントラルキッチンで大半の調理を済ませ、あとは、調理経験が乏しい人でも、同じレベルの料理を提供出来る、あの仕組みに似ています。 ネオ幾何学は、それまでの幾何学を超える学術です。 勿論。これほど分かり易く説明されている物はありません。 しかし。一つの作品、物語という視点から見ると、この構成は頂けません。 殆どの事が、前半部で片付けられてしまっていて、ネオ幾何学の『味噌』となる部分は、最早、どの登場人物でも解けてしまう構成では、せっかくの物語が台無しです。 あくまで、私個人的な考えですが。 例え、大手チェーン店であろうと、地域によって味付けや飾り付けを変えなくては、面白みに欠けてしまいます。 新潟県で食べたハンバーグ定食が、京都や鹿児島、北海道で食べても同じならば、満足度は半分でしかないからです。 やはり。ご当地らしさは必要ですから。 登場人物の『老学者』『天才少女』『マンドラゴラ』『CIA』『教祖』… それぞれに『らしさ』を付けないと、全て《同じ人》と思われてしまうと感じました。 そして、前半部で殆ど回収してしまった伏線をもう少し散らばらせると、もっとドキドキハラハラしながら読めたと思います。 作者様の、これからの発展、成長を祈って、敢えて批判的なレビューをした事をどうかお許し下さい。 ネタバレになってしまいますが、ネオ幾何学の結晶がマンドラゴラだったとは、目から鱗が落ちました。 そして、そのマンドラゴラを目覚めさせるコマンドが『上上下下 左右左右 BA』だったという事実に爆笑です。 (★) 次走者への無茶ブリ指令 『クリボーには気を付けろ』  
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