ハイちん

【連載開始から一年が経過。僕は今何を思う】  話作りが上手くいっているか不安に思う時は、大抵失敗している。  僕は今とても不安なのだが、どこが失敗しているかわからない。プロットを作らず推敲を一切しないスタイルを貫いた結果、思考の袋小路に追い込まれてしまった。  今までこんなことはなかった。どんなに難しい展開に陥っても、何とかなってきたのである。書いている僕にも話がどう展開するか全く読めないほどであった。とにかく筆がすすみ、どんな展開になっても面白くなるだろう、という自信が自分の中に確かにあった。  ところが、今度ばかりはその自信が無い。  おそらく作品の内包するテーマが作者の力量を超えてしまったのであろう。まったく面白く書ける気がしない。  そうなると、書いていてつらい。  しおりを挟んでくれた人たちには悪いが、いっそのこと削除してしまおうか。などと考えることがたびたびある。  これがスランプというやつなのだろうか。いや。ひょっとしたらこれが普通なのかもしれない。書き始めたころの、あのどうにかなるさ的なスタンスの方が、異常だったのかもしれない。  そう思うと、楽になって来た。そうだよ、書くという作業は基本的には辛いものなんだよ。誰かそうだと言ってくれ。  というわけで、(どういうわけだ)最後まで書いてみようと思います。今の精神状態での執筆はひどく辛い作業になると予測できますが、どうか暖かく見守ってください。辛くとも、最後まで書き切った先に、なにか、希望のようなものがあると信じて。がんばります。
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