花崎 蛍

さて、構わぬと言われました故に筆を携えて参りました。 とは言え完成度の高い此方の作品の粗など、とてもでありませんが見付かりません。 一文一頁、一言一句まで張り巡らされた拘りを感じます。 豪奢なチェンバロを奏でる主人、楽器として連れられた痩せて汚れた雲雀。 洗練される腕、錆び付いていく声。 見事な対比が描かれていたかと。 それにチェンバロの美麗さを語る姿は筆舌尽くすにも関わらず、雲雀の声の美しさは語り尽くせぬ。 最初は枷を付けねばならぬ程の声を持っていたのでしょう。 ただ。優しい、と最後の場面にて殺されようとして尚語る二人の姿。 果たして何がそこまで二人に言わしめるのか?と、疑問に思いました。 確かに優しさは滲むのでしょう、決して悪人には見えない。 しかしながら、歌声へ嵌めた枷、金でしか雲雀を買う事が出来ない姿、擦りきれる雲雀の声に気付かぬ程に錆び付いていく耳。 贅を尽くしたチェンバロを携え、喝采を浴びる事に取り憑かれて行ったのでしょうか? ただ美を、芸術を追い求めるのであれば、空で謳う雲雀と共に質素なチェンバロ一つで野を駆ける事も出来たでしょう。 語り部の流麗な語り口と主人への尊敬、貧困から救われた気高い雲雀に包み隠されてしまいましたが。 私が主人から感じたのは、地位と権力に富へ縋り付く様と、自己顕示欲故に雲雀を金糸雀へ貶める狂気。 最後にも、罪人としてでなく迷い子として捜せば良かったものの、それをさせなかったのはそういった部分なのかな?と。 上に立つ者として示さねばならぬモノもありましょう。 しかし、雲雀への温情はともかくとして。長年支えられた語り部をも躊躇い無く刑に処す姿は果たして、他の使用人にどう写るのでしょうね。 短い中でそこまで語れ、というのは酷という事は重々承知の上ですが。 主人が持つ優しさの側面。そして音を見失っていく姿まで私は見たかったかな、と。 読み取る事が出来る方は些細な描写から読み取ったのでしょうけど、私には伝わりませんでした。 まだ、上はあるかと。 拙い言葉ではありますが、以上をもって締めとさせて頂きます。 ケチは付けてみましたが、やはり完成された作品である事は間違いありません。 大変美味しく頂きました、御馳走様です。
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レビューありがとうございます! そう、いいのですよ、ガッツリ言われても。 誉められて伸びないタイプだからwww昔からwww 叱られて伸びるタイプなの、こんちくしょーって(笑) はい、その通り、10ページ5000文字では収まらない書き出しだったのです。 なので、できれば倍ほしかった。 書き込みが足らないのです。 そして、説明文ぽくならないように、それを伝えなければならなかったのです。 うむ、未熟ですよ、まだまだ。 修行しないとね。
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はひゃー、言っちまった感満載でしたよ(笑 僕は褒められても叱られても伸びないのでどうにもなりませんwww 叱るって言うか、ちょっと嫌な奴になって読んだだけですし(苦笑 ページはともかくとして5000字はキツかったですよね。 説明っぽさはほぼ無かったと思いますけど、譲れない部分じゃないならチェンバロの装飾描写はも少し薄くてもとかは思いました。 ただあの部分も富豪らしさを著してる気がして、難しいですよね(苦笑 完璧って言うのは難しいですけど、私もせめて自分が納得出来るモノはと思います。 お互い頑張りましょうっ!

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