雪風

  作品、読ませてもらいました。 現在書かれている最後のページまで読み終えまず最初に、この作品はとても堅実な作品だなと思いました。 人物・心理・行動・風景・背景など小説の核となる文章の重要な要素がちゃんと書かれていて、張られた伏線は物語が進むにつれ適度に回収されそしてさらなる伏線が張られ、着々と物語が動き進む。会話運びも良いと思います。 一見これくらい当たり前のことだと思えてしまいすが、いわゆる携帯小説やネット上で公開されている作品のほとんどは、その重要な要素の多くが欠けているのが現状なので、なかなかできることではないと私は思っています。 堅実で安定している。 とても良いことなのですが……しかしながら、私はそれが逆に仇となってしまっているように感じました。 まず文章なのですが、先に上げた説明・描写が一通り揃っていて、それ自体はとても良いことです。問題は、どの要素も満遍なく並みで、秀でた文がないと思ってしまったことです。例えるなら器用貧乏といったところでしょうか。 登場人物の心理描写が上手い人、風景や背景の描写が上手い人。逆にそれらが苦手な人など、小説は作者の特色を楽しむ一面があって、それがいまいち感じられなかったのは非常に残念でした。 次に物語の内容ですが、展開はとても面白かったです。張られた伏線といい続きが気になりました。 問題は、展開に対して物語が進むスピードが少々遅くテンポがやや悪いことです。 理由の一つとして、三人称のメリットが弊害となってしまっている点でしょう。 三人称は俗に神視点と呼ばれていて、一人称と比べて自由度が高いのですが、だからといって手広く登場人物の心情を描写したり頻繁に場面を変えるのは如何なものかと。 主人公、魔王、ファリア、ドルナス、ラシル、リイ、はてはケーニスに魔王の秘書と側近、王国の王かれらの心情を場面を変えてまで一つ一つ細かく描写していたのでは、ページがかさみますし混乱してしまいます。 少々手広く書きすぎているのではないでしょうか? 私としては、もう少し描写対象を絞ってもよいかと思います。 あと、括弧を使った文の末尾に『。(句点)』は必要ないです。 たまに見かけた『‥』は三点リーダー(…)の代わりだと思いますが、私としては推奨できません。 色々とキツイことを書いてしまいましたが、とても面白い作品だと思います。 執筆頑張ってください。  
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レビューいただきありがとうございます! 小説をこんなにしっかりと読んで下さった事に、本当に感激しています! ご指摘いただいた内容につきまして、描写方法など私自身も気になっていた部分を指摘していただけましたので、とても参考になりました。 小説は作者の特色を楽しむ一面がある、というのも、私も小説好きな読者として、正にその通りだと思います。 秀でた文がない、というのも自分で書きながらも感じていた部分でしたので、個性を出せる文章が書けるように工夫していきたいです。 あと、「。」と「‥」は思い込みと知識不足でしたので、早速訂正していきます。 貴重なお時間とご感想をいただき、ありがとうございました!!

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