【コメント】

杉宮海翔

批判を気にせず書く。それもまた一つの手だろうけど、その批判だって一つの意見。意図はどうであれ、誹謗中傷でない限りは甘んじて受けるべきだと思う。それはとてつもなく苦しい事で。特に設定やら作品の在り方を否定されたら、今までの自分を全否定された様な気持ちになる。けれどそういった意見も存在するのだと、受け止めるか戯言だと聞き流すしかない。その言葉が時には成長を促し、他者の視点の輪郭を浮かび上がらせ、作品の質向上に繋がる事もある。アホな意見だと一笑にふし、肯定的な意見のみ鵜呑みにし、面白い作品を書くのも手だろう。でもそれは正しいのかと言われれば俺は「No」と言う。その姿勢こそ怠惰、愚物の思考だと言わざるを得ない。そもそも面白さと言うのは統一的な基準が無い。受取り手に左右される凄く曖昧なものだ。その時点で「面白ければ正義」と言う論理は破綻しつつあると思う。結局、誰かの意見を馬鹿にした様な発言をしている時点で見下しているんだ。一部の人には甘美に聞こえる、醜悪な呪詛の援護射撃で。「面白ければ良い」には賛成するが、「面白ければ正義」には全否定する。取捨選択はするにしろ、耳の痛い意見一つ受け取れない様なら物書き辞めちまえ。そんな安易なもんじゃないんだよ、創るってのは。時には批判ばかりの地獄で頑張ってるんだよ、クリエイターって奴は。

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